利益が出ない、などの問題がありながら面白い商品を、ユーザーの隙間需要をと考えて毎年リリースされるXperiaシリーズの廉価モデルが登場した。販売台数が全く出ないながらもコンスタントに登場するXperiaを、独自の視点から観察してみる。この端末、実に面白い。
目次
Xperiaの第2世代商品の廉価版

Xperiaを取り巻く状況は非常に厳しいもので、盛況を極めた2013年ごろと比較して現在の販売台数は10分の1までダウンしている。設計ミスによる発熱問題や安い他社のスマホの登場、癖が強くメリットのないデザインによってXperiaに残り続けるユーザーが激減した。私の周りでも友人数人や父親など列挙できるほどに多い。
そこで、全く新しく、他社と違うスマホを開発することに決めたソニーは、新世代シリーズのXperia1とXperia8を発表する。1年前のことだった。
今回のXperia 10 Ⅱは、Xperia8と名前こそ違うもののコンセプトはおなじ。「最廉価でXperiaを感じることができる機種」であることに間違いない。もともと、Xperia8は10の国内仕様なのだから、Xperia8の正統後継こそがXperia10 Ⅱなのだ。

特徴はなんといっても縦長21:9の有機ELディスプレイ。またミドルレンジ帯には珍しい3眼カメラ。そしてヘッドホンジャックだろう。他のスマホを大きく突き放す付加価値がこのスマホにはある。何より、特殊すぎて他のスマホと比較なんかできない!まずは前モデルと比較しながらこのスマホの強みを考えていこう。
Xperia8との違い
Xperia10 Ⅱ | Xperia 8 | |
縦 | 157mm | 158mm |
横 | 69mm | 69mm |
厚み | 8.2mm | 8.1mm |
重量 | 151g | 170g |
カラー | ブラック、ホワイト、ミント、ブルー | ブラック、ホワイト、オレンジ、ブルー |
画面サイズ | OLED 6.0inch | LCD 6.0inch |
SoC | Snapdragon665 | Snapdragon630 |
RAM | 4GB | 4GB |
ROM | 64GB | 64GB |
拡張ROM(最大) | microSDXC(1TB) | microSDXC(512GB) |
生体認証 | 側面指紋認証 | 側面指紋認証 |
カメラ | トリプル(標準、広角、望遠) | ダブル(標準、望遠) |
おサイフケータイ | あり | あり |
ここでは見えないが、カメラの進化が大きい。3眼になったことに加えて、ナイトモードを装備。
まず突っ込みたいのが
ほとんど体積が変わらない中、どうやって19gも軽くしたのか。
内部の部品を軽いものに交換したのだろうか。であっても、総取っ替えしなきゃそんなに変わらなくない?バッテリーが840mAh大きくなっているからさらに謎。
次に突っ込みたいのが
microSDXCの最大拡張容量が1TBとか大きすぎ。
大量に写真や動画を撮る人向けなんだろうとは思うけど、スマホとしては最大クラスのストレージを手にすることになる。
最後に突っ込みたいのが
TRILUMINOS DISPLAY for mobile使うのに脱帽。
ソニーが持つ、広い色域と精密なドット発光を売りにするディスプレイを廉価版に乗っけてしまってもいいのだろうか。画素密度も457ppiって、ハイエンド並の画質が期待できる。
ツッコミが全部称賛になってしまったが、新しいXperiaはトレンドを無視して特徴を捉え、コンセプトを引き継いでより強化された最高の素材であることは間違いない。と言える。
価格
そして皆思ったに違いない。「でもお高いんでしょ?」と。今回のXperia10 Ⅱ新型のスマホでそして登場したての新星だ。中身が一新されているから、尚更高いと思ってしまう。
しかし、今回のXperia10 Ⅱに関しては、そんなことはない。
Xperia8がauで44645円。ワイモバイルでも割引後34360円スタートだったが、それは半年前の話。
今回のXperia10 Ⅱはドコモでは47520円。
だが、ワイモバイルでは今回、大幅な割引が適用されることとなる。定価で54000円のところ、
Sプラン(3GB)なら 38160円
M/Rプラン(9GB/14GB)なら 41760円
で提供されている。キャリアに比べても安いため、Xperia10 Ⅱに関してはワイモバイルで手に入れるのが良い。
これなら、様々な進化をしたXperia10 Ⅱも手に入れやすくなるのではないだろうか。もちろん、Xperia8も27360円でまだ手に入る。
ミドルレンジ帯における強み
それではこここから、Xperia10 Ⅱの、ライバル機と比較しての強みを述べていこう。
強み①持ちやすくて軽い
縦長の筐体を採用しているのは、現在国内ではXperia系統のみ。Galaxy Foldは例外とする。国外ではLGのVelvetなどもあるがとりあえず普通に買えるスマホの中では幅70mmを切るボディはものすごく持ちやすいはずだ。
強み②「標準・広角・望遠」の3眼カメラ
いまどき、スマホのカメラに関しては2眼以上が当たり前なのだが、そのうち3眼の組み合わせも「標準・広角・ボケ(深度測定)」カメラが多い。ところがXperia10 Ⅱは「標準・広角・望遠」カメラを備えているため、P30やS10、Xperia1などのハイエンドを使っている人と同じカメラ仕様で撮影ができるのだ。写真の質はどうあれ、カメラマンの腕を引き出す道具自体は十分にあると言える。
強み③21:9の縦長ディスプレイ
縦長ディスプレイは、映画規格のワイド画面を見ることができるため迫力がある。また、Androidの画面分割機能も楽に使うことができる。この画面、横幅が狭いのにフルHD+規格で画素密度が高いため超高精細な画面を楽しめる。また、カメラの機能として21:9のシネマ規格での動画撮影も可能である。カメラ機能も合わせて素晴らしい。
強み④有機ELディスプレイと大容量バッテリーの組み合わせで電池持ち抜群
今回から装備された有機ELディスプレイ。ミドルレンジでは搭載機種がまだまだ少ない。コントラスト比を上げて発色が綺麗になるだけではなく、ダークモード(搭載するAndroid10で実装済み)を使って電力消費を抑えることができるのも強みだ。加えて、なぜか軽量化しつつも増やした電池容量もあって、Xperiaの電池持ち問題は大きく改善するだろう。
まとめ:Xperiaは裏切らない
ここまでまとめたが、やはりXperiaは廉価モデルでも「ちゃんとXperia」感を出すことによってユーザーを裏切らない姿勢を確かにしている。たしかにコスパという尺度で見るならば間違いなく悪い。しかし、それはコスパという観点でしか見れない人の評価であるのも事実で、現にXperiaユーザーの満足度は高い。さらにその評価が、選別された(つまりはXperiaなんていうヘンなスマホを使う一般ユーザーが離れきってファンのみが残った状態の)ものであるとしても、ユーザーを裏切らないSONYの姿勢は実に面白い。
やっと新世代のXperiaもコンセプトが固まってきたので、元XperiaユーザーでSONY信者の私も買い支えたいと思う1台であった。
Xperia10 Ⅱの端末値引きをしているワイモバイルは、5000円分のPayPayボーナスの付与も実施中。購入・契約は以下のリンクから。
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