安いと話題になり1年ほど前からネットで販売されてきたUMIDIGIのスマホが、最新機をリリースした。値段はなんと本国の中国で1万円切り。そんなにスマホは安くなったのかと驚くばかりだ。今回はそんな1万円切りのスマホを検証していく。
目次
徹底レビュー
外観

外観はプラスチックながらも質感が高い。とても1万円のスマホとは思えない。金属フレームに艶のある背面。

流行りのボックス型カメラを採用している背面は素晴らしい。また指紋認証センサーの縁の加工も地味だが嬉しい。
携帯性
携帯性に関しては悪い。まずこのスマホ、重量が212gもあるのだ。
実際に測ってみると208g。スペックよりは低い。言っておくがこれはケースなしの場合だ。

筐体は少し大きめといった印象。安いスマホにありがちだが下側のベゼルが太い。

音質
シンプルなモノラルスピーカー。

音質はかなりこもっていて聞きにくい。IMAXなどのデモ音を聞くとわかるが細かな音が聞こえない。廉価なスマホとしては標準的なものだろう。
カメラ性能
それでは、ここからカメラの比較をしていこう。Galaxy A20と、AQUOS sense3の作例と共に見ていこう。
明るいところその1



空の眩しさと影の暗さをいかに合成して綺麗な写真にするかというテスト。A20のみが良くできていて、sense3はいまいち。A7 Proに至っては空の色が飛んで白く潰れてしまっている。廉価スマホとしても、カメラをアピールするならsense3ほどはこなして欲しいところだ。
明るいところその2



十分に明るいところでは、色を出すためにより明るく処理がなされている。
過剰な気もするが、インスタグラムなどに直接撮った写真を持ち込むと考えれば悪くはないのかも。
明るいところその3



A20の写真ではしっかりと空が写っている。sense3も少しながら。それが、A7 Proでは真っ白。空の青色を認識できていない。あとは空が明るいために地上の建物も明るくなっているのが現実だ。色の合成が全く働いていないことの証。
逆光1



A20は空の色に加えて暗いところの解像度も高い。sense3も空の色は出ている。しかしA7 Proは明るいだけだ。光の差にはやはり弱い。明るいところの1と3でも空の色が出ずに白くなりがちなのは問題だろう。
逆光2



ここでも逆光1と同様の問題に。ところがここではsense3も悪く、空が真っ白に。木々の解像感ではA7 Proがいいかも。A20は言うまでもない完成度。
夜景



最後に夜景。全体的にノイズは乗っているが、A7 Proは白飛びを抑えている。「生そば うどん」がしっかり見えるのはA7 Proだけだ。写真の中でも難しい夜景ができて何故空の処理ができないのか…筆者にはわからないが、それら課題は今後のUMIDIGIへの宿題としよう。
処理性能

そして処理性能だ。UMIDIGI公式ではAntutuベンチマークの点数を12万点としているが、実際の計測結果はそれに全く届かない結果に。結果は2回測って、95595と94315。えぇ…
Geekbench5ではシングルコアが弱いという結果に。

その割にはA20より動作が快適だと思うから使用感とスコアはまた違うんだなと実感した。
Asphalt9はプレイするまでもない。普段の動作でも全体的なもっさり感は否めない。
ストレージは廉価なりの特典に。A20とあまりかわらない。

番外編1:アクセサリ確認

外箱はいつもの曲線が入ったもので見た目はかっこいい。しかし触るとボール紙で作ったような質感には少し残念になる。
アクセサリとしては
レザーっぽいケース・ケーブル・12W充電器

だった。廉価スマホに対して12W充電器はすごいが、PSE認証マークが見当たらなかった。は?大丈夫か?

番外編2:悪名高いUMIDIGIの品質問題
ここからは品質問題に切り込んでいく。
はっきり言って前から言われている品質は改善していなかった。
グローバル版に対応させるために充電器は箱の中でそのままになっていた。箱を振ると鈍く「カラカラ」と音を立てていたのでなんとなく感づいてはいたが。

そして最初に貼ってあるフィルムに気泡が入っている。押し出せないものだったので諦めて剥がすことにした。

このガバ包装や気泡はまだ可愛いもので、最大の問題はこれだ。
電源ボタンが押し込むと返ってこない。

これはいかんでしょ!と思う。反対側押せば戻ってくるしとかそういう問題じゃあない。個体差ならまだいいが仕様と公式の口から聞いた日にはあまりの酷さに叫ぶかもしれない案件だ。
結論:値段なりかそれ以下

正直、このスマホはコスパコスパの鳴り物入りで呼ばれているわけだけど、自分からしたらただの安いだけのスマホだ。確かに4眼カメラに大画面や大容量バッテリーでコスパ高いように見せているけど性能は値段なりだし、何より品質が悪いのが見逃せない。
おそらく検査工程で見逃すというより妥協しているのだろう。安くするためのコストカットだとしても電源ボタンが陥没するような製品が届いて許せるユーザーがいるだろうか?正直、これが安いからという理由で買う人がいるのならば一考して欲しいと思う。安い商品が安いだけで済むはずがない。この値段に求めるなという人もいるだろうが、消費者としては我慢できないのだ。
たとえば牛丼がいくら安いからと言って不味いものを食べ続けられるだろうか?コストカットで従業員を最大まで減らしたりするような店なら火加減も時間も盛り付けも全てがダメになるはずだ。
値段を追うあまり品質にしわ寄せが来ているやり方では、いずれ誰もいなくなってしまう。早急に改善が欲しいところだ。
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