6/2、日本国内に投入されるとアナウンスされたP40 Pro。Huaweiが送る最高性能のスマホは米国の制裁によってGMS(Google Mobile Service)が使用できない。しかし筆者は、その弱みを乗り越えてもP40Proを買うメリットがあると思う。今回は、P40 Proについて詳細に解説するとともに、P40 Proを買うメリットについて説明しよう。
P40 Proを紹介しよう

まずはP40 Proを紹介するところから。P40 Proは世界3番目のスマホメーカー、Huaweiの新世代スマホだ。世界では2020年3月下旬に発表され、日本でも6月中旬に発売される。スペックが以下。
P40 Pro | |
縦 | 158.2mm |
横 | 72.6mm |
厚み | 8.95mm |
重量 | 209g |
カラー | シルバーフロスト、ブラック、 |
画面サイズ | 6.58inch |
SoC | Kirin990 5G |
RAM | 8GB |
ROM | 256GB |
拡張ROM | 非公表 |
生体認証 | 顔/画面内指紋認証 |
カメラ | ペンタ(標準、広角、ズーム、望遠、深度測定)カメラ |
おサイフケータイ | なし |
コンセプトは「想像を超えた写真をその手に」で、P(Photography)シリーズでは最新世代だから、カメラ強化されたスマホである。
それではこのスマホの魅力と、難点について考えてみよう。
GMS非搭載でもP40 Proを買うメリットとは
書いた通りこのスマホはGMS非搭載であり、Huawei新世代最大の難点である。まずはGMS非搭載の問題点について知って欲しい。
そもそもGMS非搭載のデメリットとは

GMS非搭載では、GooglePlayStoreが使えない、というのが問題点である。というのも現在流通しているスマホアプリのほとんどはHuawei独自のAppGalleryにはなく、動作が保証できないことが多い。
また正常に動作しても最適化されていないスマホだから最高のパフォーマンスが期待できない。ハイエンドスマホを買う理由が「最高クラスの処理性能による快適なゲーム」ならばこのスマホを買う理由自体は薄れてしまうのだ。
一応、AppGalleryでは日本の連絡インフラのLINEやフリマアプリのメルカリが入っているが、正直足りない。そしてGoogleのアプリに関しては「開発者サービス」が入っていないためマップやアシスタントという優秀なアプリがうまく使えない。
裏口でGMSを入れる方法は存在するらしいが、筆者は失敗したし万が一スマホが文鎮と化すことを考えるとGMS導入はおすすめしない(GMS自分で導入しろというバカもたくさんいるが)。
これらの理由より、生まれつきの障害としてのGMS非搭載はかなり深刻なのだ。
メリット
しかしながら、メリットは確かに存在する。今度は、GMS非搭載を吹き飛ばすメリットを紹介していこう。
業界で最高評価を得ているクアッドカメラ

これが最大の理由だろう。スマホ業界でカメラ評価の基準にされている評価機関DXOMARKでは128点を獲得し、記事執筆時点での最高評価である。
標準、広角、望遠、深度測定のクアッドカメラは、必要なシーン別でも最高性能を持つ万能機材だ。

老舗にして最高級クラスのLeicaカメラによる正確な色合いと焦点、そしてカメラ界では異次元クラスに光を取り込めるセンサーを搭載したこのカメラは特にズーム性能に長けており、光学5倍、最大50倍ズームが可能である。
こうしたカメラ自体の能力だけでなく、ソフトも充実していて、綺麗な切り取りや余計な反射、他人を消去する機能もある。カメラだけでなく、加工できるコンピュータとしてもP40 Proは優秀なのだ。

また動画性能でも、7680fpsというスローモーション撮影が可能。もはや専用機材クラスという性能を持っている。
今のところスマホのカメラにおいてはHuaweiのフラグシップを超えることができないほど性能が卓越しているため、カメラ性能に拘りたいならHuaweiを買うのが良い。私もすでに3台を所有しているが、カメラには満足している。
省電力性能に長けたチップ

次に紹介するのがHuawei独自のSoCであるKirinである。ハイエンドスマホというと、SoCが非常に注目されるが、HuaweiはAppleのiPhoneと同じように同時のSoCを搭載することでブランド力を構築しユーザー体験を高めている。
このスマホに搭載しているのはKirin990 5Gで、現在スマホの中ではかなり省電力性能が高い。ほかのAndroidスマホに搭載している5G対応チップのSnapdragon865と比較するとその差は一目瞭然。
Kirin990 5GのMate 30 Pro 5Gを所有している身としてもかなり充電持ちが良い。外に出てカメラを回したりブラウジングをしても3日くらい持つことがある。
トリプルSIM(2つしか使えない)

このスマホ、デュアルSIMのみならずSIMカードを最大3つ搭載することができる。従来のデュアルSIMに加えてeSIMを搭載することで、
SIM+eSIMと使いながらも外部ストレージのNMカードを入れることもできるため、DSDSと巨大ストレージを両立できるという、カメラ機ならではの機能。
Mate 30 Proから続く、Huawei独自の機能
最後に、Mate 30 Proにも搭載していた機能を使えるというのも特徴だ。Mate 30 Pro 5Gは現在買えるHuaweiスマホの中で最も高額なモデルで、独自機能をたくさん搭載した真のフラグシップスマホなのだが、その一部の機能がP40 Proにも受け継がれている。
赤外線顔認証

赤外線で顔を識別するため、暗くても正確に顔認証ができる。iPhoneのFace IDと同じだ。
画面注視識別

画面を見ていない時は、画面を低照度にすることで電池持ちを改善する。
目線識別により画面回転
スマホが目線の回転を確認すると、自動的にその方向に動いてくれる。スマホの画面の回転の設定が煩わしいことはよくあるが、それを解決する手段としては新しく、楽しい。
目線検知によるセキュリティ機能

このスマホ、複数人に見られているとセンサーが感じた時には、自動的に通知の詳細が隠される仕様に。のぞき見を防止してプライバシーを保護してくれるのだ。
エアジェスチャコントロール

触らなくても手の動きでスクロールできたり、スクリーンショットを撮ることができる。正直精度は悪いが、面白い機能である。
GMS非搭載以外にデメリットはあるか
では、GMS搭載以外のデメリットは存在するかというのもこの端末の特徴だろう。絶対困るわけではないが、相対的に劣っている要素はある。
おサイフケータイが使えない
NFCは搭載しているものの、日本で流通しているFeliCa方式の決済サービスが使えない。ドコモが取り扱いしている時には搭載されるが、基本的にHuaweiはその必要性を感じていないためSIMフリーではつけない。本機も同様についていない。そのため、おサイフケータイがどうしても必要な人は選べないことになる。
シングルスピーカー

Huaweiスマホの(GMS搭載非搭載に関わらず)難点なのかもしれないがこのスマホ、スピーカーが一つしかないためステレオ再生などが難しい。カメラ用のレコーでイングスピーカーはデュアルなのに、再生用のものが1つなのは音楽や動画の再生をよくする自分にとっては困る仕様だ。
防水関係のデメリットもあるだろうけど、何故格安タブレットは2つでそれより遥かに高いハイエンドスマホが1つなんだろう。といつも思っている。
まとめ:性能に対してP40 Proは安いと思う
最後にこのスマホをまとめる。
メリット
誰も追いつけない最高のカメラ
省電力なチップセット
セキュリティや操作に関して独自の先進技術搭載
使い方が広がるトリプルSIMスロット
デメリット
GMS非搭載
おサーフケータイ非搭載
シングルスピーカー
デメリットの3つがどうしても受け入れられないならば、このスマホを買うのは辞めたほうがいい。逆に、カメラ機や先進技術を体感して所有感を感じたいのならばこのスマホは定価が108800円だろうと非常にお得な買い物だといえよう。
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