【微妙】Mate Pad Pro開封レビュー。安いが所々見せかけの機能・性能。

Huawei

登場時にはiPadProさながらの見た目で話題を呼んだHuaweiの高性能タブレット、Mate Pad Proが日本デビューした。筆者はグローバル版を日本デビュー前に購入して3ヶ月近く使ったのでその使用感を書いてみようと思う。

徹底レビュー

外観

外観は非常に高級感がある。手触りも非常によく、背面のロゴは金属光沢が美しく非常に洗練されている。

カメラも同社のP30シリーズのような縦型ユニットでシンプル。ただしカメラは厚く、裸の状態で机に置いたときには安定しないので困りものだ。

前面はiPad Proさながら、ベゼルが均等なので非常に質感は高い。

パンチホールは使ってみるとかなり気になる部分で、これは人によるだろう。戻るコマンドボタンを公式アプリ(ギャラリー)ですらで回避してくれないのは残念だ。

携帯性

厚みは7.2mmと、タブレットの中では標準的な厚さ。しかしハイエンドタブレットという意味では少し厚いと思う。ここのところは人によってこだわりが大きいだろう。机や膝に置いて使う場合も多いから私はあんまり拘らない。

重量はスペック上では460g。実際に測ってみると463gだ。両手で持ってみても特に重たくは感じられない。

画面性能

P3と色域が広く、画質もWQXGA(2560×1600)で280ppiなのでタブレットにしては画素を感じられない細かさだ。iPad系に対して、縦長のディスプレイはスリムさで携帯性を確保している。

視野角はそこそこの広さ。急激に色が変化するのではなくゆっくりと暗くなっていく様子なのでさほど問題ではない。色は普通に綺麗だった。コントラスト比もぱっと見で高いし、色がよく出ている。

音質

音質は非常にいい。特に左右に2つずつ配置したクアッドスピーカーが奏でる音は非常に良かった。HUAWEI Histen 6.0サウンド効果によって低音も高音もよく出ている。

いままで使ってきたタブレットの中ではNo.1の音質。これはいいものだ。

処理性能

Huawei独自のKirin 990チップによって高速処理を可能にしている他、省電力性能にも長けている。ちなみに回したベンチマークスコアは以下の通り。48万点と、高性能処理を期待できる。

ちなみに私が持っているMate 30 Pro 5Gに比べればKirin990は4Gプロセッサなこともあり、1〜2万点劣る結果に。

Geekbench5も回してみる。

Kirin990 5Gと比較してマルチコア点数は200点ほど低い。

シングルコアが弱い結果に。他のCPUと比較しても、シングルの低さが際立つ。以下はSnapdragon865とA13 Bionicチップだ。

シングルコア点数としては最近のCPUには遅れ、Snapdragon855の方が近い。

ストレージテストでは高得点を獲得。64000点を叩き出すMate 30 Pro 5Gや55000点を出すFind X2 Proのようにはいかないが、他のデバイスより起動・操作のサクサクさが見込まれる。

Asphalt9をプレイした。正直、シングルコア性能の低さなのか各部がモタつく。特に処理が重くなるU.S.MIDWESTコースでのバレルロール時にはカクカクした動きにストレスが溜まる。

ベンチマーク上では半年前のSnapdragon855とグラフィック性能・処理性能で大差がないかKirin990の方が上回っているが、ゲーム時の挙動は到底受け入れられるものではない。仮にタブレットの画素数に相応しい処理ができていないだけだという言い訳をしようが、Mate 30 Pro 5Gも同様なので言い逃れはできまい。

結論としてKirin990(4G・5G両者)は全くゲームに向かないのである。少数派SoCだから最適化がなされていないのか、ベンチマークで盛ったハリボテSoCなのかは不明だが3Dのゲーム性能に期待してはいけない。

ワイヤレス充電機能

タブレットとしてはワイヤレス充電ができるのは魅力的。キーボードカバーをつけていても充電ができた。

問題は使い勝手の悪さ。ワイヤレス充電時に背面中央が触れるように置くのがちょっと難しい。少しでもずれると、充電が止まったり始まったりを繰り返すこととなる。

手元にあるBelkinのワイヤレス充電器で充電してみたが、速度はかなり遅い上にうまく充電されず止まってしまった。スピードは7.5Wという貧弱な電力のせいかもしれないが、充電が安定しなかったのは困りもの。Huaweiの27Wワイヤレスチャージャーなら上手くいくかもしれないが社外品でできないのは少し残念である。

リバースチャージ機能

Mate Pad Proの機能として、ワイヤレスを含めたリバースチャージが可能だ。Mate Pad Proは7260mAhのバッテリーを内蔵しており、その電力をスマートフォンに供給することが可能。

リバース時の電力は7.5Wだ。ワイヤレス充電としては早くはないが、もしもの時に充電ケーブルなしでモバイルバッテリーとして使えるのは非常に魅力的。

単純な容量比だと、スマートフォンの充電が1.5〜2.5回可能である。

MatePadProでMate 30 Pro 5Gを充電してみると、30分で5%の充電をした。体感は5Wくらいだろうか。

マルチスクリーンコラボレーション

EMUI10以降を積んだスマートフォンとの間で実現できる無線接続方式だ。

スマホの画面をタブレット上に投影できる。遅延も少なく、ファイル共有を直感的な操作でできるのが強みだ。

幸い、手元にEMUI10を搭載しているMate 30 Pro 5Gがあったので接続に挑戦してみることにした。

ところが、お互いのデバイスを認識するだけで繋がらない。「接続されていません」と繰り返し表示される。何度か設定を確認したがWi-FiもBluetoothもお互いONになっているが一向に繋がらない。

一度だけ繋がったことがあるが、それ以外はやっぱり不具合として「接続されていません」の一点張り。

この不具合には筆者も呆れ果ててしまった。

Huawei Drive

Huawei製品のクラウド機能は非常に簡単に使用できる。

Googleサービスが使用できないデメリットを補完するのがこの機能だ。Huawei製品で同一のアカウントにログインしてる場合、アルバムの写真や動画、Wi-Fiの設定、連絡先やメモを共有できる。

そしてこのストレージプラン、体験版が存在し1年分50GBのプラン(月間130円、年間1560円)を使えることになった。これは非常に頼もしい。

カメラ性能

タブレットの携帯性からして使わないとは思うが、カメラ性能を調べてみた。

iPad7世代との比較だ。

まずはハードの観点から見てみる

Mate Pad Proのカメラは単眼だ。P30シリーズのデザインのようにフラッシュ・カメラ・マイクが一つのユニット内にある。詳細スペックは画素数しか公開されておらず、13MP。インカメラは8MPだ。

iPad7世代は単眼でマイクは筐体背面と上部にあり集まっていない。7MPだ。インカメラは8MP。

パソコンの画面の撮影

オンライン授業で、パソコンの授業の1コマを撮影したいという人もいるかもしれない。目の前のパソコンに対してどんな写真が撮れるか試した。

Mate Pad Pro
iPad 7th

MatePadの方が画角が少し広く、細部までしっかりと写っている。タブレットのカメラ共通の問題で画角が狭いから使い勝手は悪い。正直500g近いタブレットを持ち上げて撮影するよりも、データを共有しやすいスマホで撮影するのがいいだろう。

インカメラについて

タブレットに関しては置いた状態で会議等にインカメラを使用する人も多いのではないだろうか。そこでインカメラを比較してみた。

Mate Pad Proの方がノイズが少なく、画角も広い。またビューティー加工として肌が白く綺麗になる。

おまけ:風景

風景を撮ってみたが、黒つぶれがひどく最近のHuaweiスマホのカメラにしてはミッドレンジクラスの写真が撮れてしまった。使う場面はないと思うが、咄嗟に出せるのがスマホのカメラではなくこれでは、性能的に代用はできないことを伝えておく。

M-Pencil評価

AppGalleryのibis Paintを利用した結果、遅延が非常に大きい。正直あまりこれはいいとはいえない。iPad7世代のApple Pencilと比較しても少しだけ大きい。M-Pencilは低遅延、高感度を謳っているのだからもう少し精度が高いのかと思っていた。残念。

描画に関してはApple Pencilよりもペンが軽いので軽快に筆を動かすことができる。iPadPro宛らのペンが本体にくっつく機能は非常に便利。気軽に充電できる。

キーボード評価

キーボードは非常に打ちやすい。これが1万円台前半で買えるものだとは驚きだ。iPadProの場合でもSmartKeyboardFolioで2万円するというのに。

ちなみに打ち心地はiPadのFolioと比較してもこちらの方が圧倒的に上。同価格でのタイピング体験はMate Pad Proが上だろう。なおこのキーボードには日本語配列がないので注意が必要だ。

結論

結論としては、「一部の機能は優れているが期待以上では決してない」ということだ。

もちろん、クアッドスピーカーは音質が良く、アクセサリもよくできている。Huawei製品の連携もある程度はよく機能してくれる。しかしながら売りであるマルチスクリーンコラボレーションの不具合や、フラグシップチップであるKirin990の動作、低遅延を謳うペンの遅延ぶりなど残念な点が多いのも事実なのだ。

それでは最後にタブレットとしての用途における使い勝手を評価しよう。ちなみに個人の評価だ。

評価は良い順に◎、○、△、×としてある。

描画△…ペンの性能が低い。アプリのラインナップは申し分なし。

動画視聴○…画面もスピーカーも良いがGMSがないのでYouTubeはブラウザから見なくてはならない。U-NEXTはアプリ版がある。

電子書籍△…ちょうど見開きのページ分を見れる画面で良い。対応アプリが絶望的に少ない。

文書作成◎…OfficeがAppGalleryに存在し、アクセサリのキーボードも打ちやすい。

Webページ閲覧○…Huaweiブラウザが使いにくいがしっかり設定すれば使える。

ゲーム×…対応アプリも少なくSoCの体感性能はベンチマークより低い。特にゲームの回し始め(自分が確認したのはAsphalt9におけるレース開始時のカウントダウン)。起動時にHuaweiアカウントにログインするために一度画面が切り替わるのもストレス。おまけにタッチ感度が悪い。おすすめしない。

正直これを購入する理由は限られていると思う。文書作成やメディア消費には良いが対応アプリも少なく使い勝手が全体的に悪い。また一部の機能が使えなかったりするのは非常に残念で、ユーザー体験は私の中では低い。技術の進化や優位性をアピールしたいだろうがその点はもう少し温めてから広告すべきというポイントだった。

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