新型iPhoneSEについて考察する。

Apple

出る出る詐欺で引き延ばされてきた妄言癖ブロガーの飯だと思って揶揄していたから、iPhoneSEの名を踏襲して発売されたiPhoneの廉価版に速報をツイッターで見守っていた私は少なからず唖然としてしまった。今回は、新型のiPhoneSEがどんな位置づけであるのかを考察しようと思う。

iPhoneSEはどういう戦略で投入されるのか。

スペックを比較していこう。筐体プラットフォームを共有するiPhone8との比較をする。

  iPhoneSE(第2世代)   iPhone8  
138.4mm138.4mm
67.3mm67.3mm
厚み7.3mm7.3mm
重量148g148g
カラーブラック、ホワイト、
PRODUCT RED
ブラック、ホワイト、
ゴールド
ストレージ64GB,128GB,256GB64GB,128GB
SoCA13A11
ポートレート可能不可能
色補正(HDR)現行世代旧世代
白飛び防止
(拡張ダイナミックレンジ)
可能不可能
ステレオ録音可能不可能
手振れ補正強化旧世代
おサイフケータイ電源0でも使える  電源0では使えない  
SIMnano-SIM+eSIMnano-SIM

まずは筐体のサイズから質量まで全てが同じであるということ。ということはバッテリー容量もほぼ変わっていないと見て良いだろう。

公式サイトではiPhone8と同じ電池性能を誇ると書いてある。

またSoCを最新世代に置き換えてコストパフォーマンスをアピールした。ただ、RAMに関しては中国の大手キャリアChina Telecom(中国電信)が公表した3GBなようだ。11シリーズが4GBであるのに対し、スペッックダウンとなる。

カラーはブラック、ホワイト、PRODUCT REDの3種類。8ではホワイトとゴールドが前面のベゼルが白だったのに対してかっこいい仕上がりに。

またポートレートモードを使用できるようになり(A12以降の処理性能で可能になった)、よりアイコニックな写真が撮れる。

スマートHDRも現行モデルに合わせており、単眼カメラとはいえ綺麗な昼間の写真が撮れること間違いなし。暗い場所や夜でも多少は活躍してくれそうだ。拡張ダイナミックレンジによって白飛びをより抑えた写真を撮ることも可能。

動画撮影では、ソフトウェアにより強化された手振れ補正が他のスマホをより過去のものにする。さらにステレオ録音をサポートしていて、臨場感のある動画撮影には欠かせない。

A13チップの進化はカメラに大きく貢献していると見ることができる。処理性能の限界が引き延ばされたことでより高度な技術の撮影をソフトウェアに任せることが可能に。

写真機としても思ったより活躍してくれるのかもしれない。

またeSIMに対応してDSDSに対応。ビジネスやフリーランスなどの人にはスマホ一つで足りるため非常に便利。今まではIIJmioのデータ専用SIMしかなかったが、最近楽天が音声通話プランによって2番号運用が現実のものになった。

戦略①iPhoneシェアの拡大

iPhoneは高いという前提

まずは世界におけるiPhoneの販売台数を見ていこう。

世界では販売台数を広げる中国の端末が凌ぎを削っており、その販売台数は年々上がっている。にもかかわらず、iPhoneの顧客は少しずつ減少している傾向がわかるだろうか。実際にこの5年間でiPhoneの販売台数は17.5%減少した。Appleは高価格である6シリーズを販売した頃からシェアが少なくなることが分かっていたのか、さらなる高価格・高付加価値路線を打ち出した。FeliCaによる決済サービスを乗せた7、8シリーズ。しかしiPhoneの売れているモデルも旧型の値下げを狙った6シリーズに留まることとなる。2018年、新たなミッドモデルとして投入されたXRが不人気により増産を中止、値下げを余儀なくされた。ここでは旧型の8が値下げを待って売れることになる。私の観察でも、ここ3年Appleでは厳しい状況が続いている。このままでは性能面においても他社にシェアを奪われかねない。そう考えたAppleは決算で台数を公表しないとし、台数<利益の路線を明確にすることとなる。そうした企業姿勢が明るみに出ることとなって、翌年明けに株価は大きく下落することとなった。

iPhoneの生存戦略

この状況を打開するために、iPhoneはユーザー体験を向上させる高性能を保ちながらより多くの人のもとに届く廉価版を用意。なにせ、今世界の市場は中国とインドが1/3を占める。またアフリカなどの途上国も含めれば中華製の格安高性能端末が売れているわけである。

価格の限界に挑戦することで手軽に、最高のスマートライフを提供するというわけだ。5万円以下の高性能端末が、4〜5年使えるとなると何度も乗り換えることができない途上国の市場をかっさらうかもしれない。保証や盗難に関しても安心なので治安を考慮して高いものを買いたがらない現地人の購買意欲にも効果的に響く。

戦略②感染症対策のマスクによる顔認証の不便さを解消

新型のiPhoneは軒並みFaceIDを搭載しているが、新型コロナウイルスが世界で蔓延する中、マスク着用が感染症予防として有効だと認知されてきた。そのため顔認証はマスク着用中使うことができない。

自分も旅行の際にマスクを着用しているとiPhoneXSの顔認証が開かなくなって困ったものだ。また世界のハイエンド機は顔認証とは別に画面内指紋認証を搭載して認証可能性を上げている。しかしAppleには画面内に指紋認証を搭載する端末も技術もアピールできていない。そこで、6、7、8シリーズの筐体をリサイクルしつつもマスク着用に合わせたというわけだ。このタイミングでリリースするのは正直セコいとは思う。

戦略③スマホの話題にテコ入れ

最近、スマートフォン業界も大きくシェアが動き、ブランドも多チャンネル化した。iPhoneの競合として思いつく限りでもHUAWEIのP、Mateシリーズ、SUMSUNGのSシリーズとNoteシリーズ、OnePlusやMiなどあげればキリがない。そういったイベントが立て続けに開かれている中でiPhoneの話題性を失いたくないAppleが、テコ入れとして廉価版をリリースするのだと思う。

第1世代のSEは販売台数が大爆死して終わったがAntutuなどによってiPhoneの独自性と強みが見える化されてきた今、iPhoneに話題のチップを搭載して格安でリリースするというAppleらしからぬ姿勢が普段出会うことのないユーザーにも衝撃を与えることとなる。

戦略④開発計画の見通しが困難なため長期調整

最後に開発計画の見直しだ。今世界に蔓延している新型コロナウイルスの影響でApple Storeの閉店を余儀なくされ、売り上げは伸び悩みそうだ。もちろん、ユーザーへの保証などもマンツーマンでは難しくなる。そうすれば、毎年9月に発売されるiPhoneの次世代機も遅れることとなるため、ユーザー離れが心配される。毎年買い替えているファンにも、待ち望んでいたiPhoneの新型を与えなくてはならない。そうした状況下では、マイナーアップデートでも新型機をリリースしておいた方がAppleの成長と挑戦をアピールし続けられるのだ。また世界で最も注目されるザ・スマートフォンのiPhoneだからこそ言い訳の1つとして新型iPhoneをリリースしておくのだろう。

iPhoneSEの強み

iPhoneの強みは一体何なのか考えてみよう。もちろんハンズオンしていないから予想でしかないが。

低価格で買える新品iPhoneだということ

今回の強みはこれだ。前回の第1世代SEは$399でリリースされたが日本では5万円代後半で発売されるなど日本のユーザーをなめた事案であった。しかし今回は税込で49280円と、5万円の大台を割ってきたのだ。もちろんiPhoneの機能がほぼ最新のまま。さらに最高速を誇ったA13チップを搭載するのだからお買い得なことに変わりはないのだ。iPhone自体に強みがある今、iPhoneを安く新品で買えるのは幸運だろう。

【過去記事】iPhoneがなぜ最高の選択肢なのか。説明します。

小さくて軽いハイエンドであること

このご時世、画面の大型化が珍しくなくなってきたためスマートフォンの大きさはより大きく、画面の消費電力に対してバッテリーも大きくなりiPhone11の重さは約200gである。これでは、気軽に持ち歩きたいライトユーザーが離れてしまうため、iPhone8の手に馴染むサイズと148gという軽量化した筐体を用いて世界では珍しい小型、軽量のハイエンドを実現した。

これから4年半使えること

iPhoneの強みなのだが、iPhoneはリリースから約5年間使える。前回リリースされたSEは今年の9月でOSのアップデート対象から外され使い物にならなくなるだろう。この計算でいくと今回発売されたiPhoneSE2世代はiPhone11と同じく4年半使えるだろうから、コスト指数は 10951円/年 である。これは他の端末よりも圧倒的にコストが低くお得であると言える。

【過去記事】コスト指数とは何かを第1章で解説しています。

iPhoneの弱み

電池持ちが弱い

A13 Bionicチップを採用していることでiPhone8のバッテリー容量では足りなくなる可能性が高い。高負荷のチップは非常に電力消費が大きいからだ。筆者はiPhone11を使っていたがフル稼働すると本体背面が熱くなる。そのため従来の重さと大きさだとバッテリーの持ちに満足できない可能性が高い。

画面が比較的小さい

メリットと重なるのだが、今の時代、画面に表示する情報が以前より大きくなっているのでiPhoneSEの4.7インチは非常に小さい。ゲームをしたりサイトを閲覧する際に情報量が大画面のスマホと比較して少ないのはデメリットとも言える。

【過去記事】iPhone11のレビュー。

まとめ:iPhoneを使ったことない人、お金がないけどiPhoneを乗り換えたい人向け

本機は、その安さに見合わないほどの高性能が詰まっている端末で、iPhoneの中ではコストパフォーマンス最高を誇ると思うから、特にiPhoneを使ったことのないユーザーに試してもらいたいと思う。他記事でiPhoneであることで既に強い理由を説明しているが、iPhoneのアドバンテージは既に機能や性能にとどまらない。今回の発表はついに禁忌に触れたかという気持ちで見ていた。ただでさえ強いiPhoneが今度はユーザーのお財布の紐を緩めに来ているのだ。それはやったらあかんよ。と言いたい。他のスマホが消えてしまう。ガチで。そうスマホオタクの僕に言わせてしまうほどiPhoneが高いというイメージはもう過去の話なのだ。

コメント

  1. […] […]

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